白糸台掩体壕

掩体壕とは戦時中に戦闘機を空襲から守る為の格納施設の事。東京都調布市には「調布飛行場」が
1941年4月に設置されますが同年8月には陸軍専用として使用される事になります(開設当時は官民共用使用)。

太平洋戦争末期、アメリカ軍による本土空襲が激化していくと全国の軍用飛行場の周辺にはこの掩体壕が作られ
戦闘機を守ったと言われています。掩体壕にはコンクリート製の屋根を持つ「有蓋掩体壕」と周りを土堤で囲い
木や草で屋根を作って戦闘機を覆い隠した「無蓋掩体壕」の2種類があったそうです。

調布飛行場の周辺には有蓋タイプが約30基、無蓋タイプが約100基もあったそうですが戦後はその多くが取り壊され
現在は4基のみが残っているそうです。たった4基というよりも戦後の年数からして4基も残っている事に驚きました。



今回はその内の1つ「白糸台掩体壕」を見てきました。実は甲州街道のすぐ近くに現存しているのですが
住宅街の真ん中に位置している為(ってそれも凄いですが)自家用車での侵入はなかなか難しく訪問までに
数年もかかってしまいました。西武鉄道の「白糸台駅」からとても近いところにあります。



住宅街の真ん中に公園の様に現れる掩体壕の全景。府中市では2006年に白糸台掩体壕の保存を決定。



入り口は埋もれていますが奥行きはそこそこにある様です。これで戦闘機1台収納できたのでしょうか?。



中も見る事が出来ます。堀割りに作られた為に現在は半分以上が埋められてしまっています。





白糸台掩体壕の復元図。これを見ると高さも幅もギリギリだったんですね。


そして気になるのは残り3基についてです。まずは調布飛行場近くにある(細かく言えば三鷹市も入っている)
大沢一号&二号掩体壕は綺麗に現存しており飛行場脇の公園にあるので何時でも見学できそうです。
府中市朝日町にある掩体壕は残念ながら現存はしているものの私有地内にある為に詳細を見る事はできなさそうです。
なので次は大沢掩体壕でも見てみようと思います。



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