1JZ-GE・MT換装記



このページは東京在住のX81乗りである「たっちゃん」が愛車X81クレスタを
プライベートでATからMTに換装させた時の様子をレポートした物です。


ご覧頂くにあたって

当ページを観覧された後、御自身で執行されるのは自由ですが当サイトは一切の責任を負いかねます。

何カ所かに意図的にモザイクが入っていますがご了承下さい。

文章・写真は執行者のオリジナルであり無断転写・コピーを堅く禁止させて頂きます。



問1 :AT 主流の時代に逆行してなぜ5MT にするの?
答1 :良く言えば、「走行性向上・燃費の向上」の為です。(本当か?? 笑)
でもホンネを言えば、2500NA 車に5MT を載せる人は少ないだろうから載せてみよう!
となんとも単純な思い付きで、部品をちょっとづつ集め、部品集め開始から約1 年掛かりでようやく実行しました♪

問2 :自分でそんなこと出来るの?
答2 :道具・知識・気合い(笑)があれば半日掛からず出来ます。(作業時間:10 時間弱)
経験もちょっと必要かな?

問3 :載せ換えの費用はどの位なの?
答3 :部品の集め方によるけれども、今回の場合は中古で仕入れたJZA70 スープラの5MT 本体に加えて
JZX またはGX81 の純正部品など全て部品を揃えて+工賃は掛からないのでトータル5 万円手前でした

問4 :載せ換え作業は大変なのかな?
答4 :作業の内容的にはAT →MT はさほど大変ではありません。
ただ、フロアを叩く作業がかなり大変で、翌日は体のあちこちが痛くなりました・・・(涙)


では、そろそろ本題へ入ります。その前に最低でも用意して欲しい物のリストです。

●たくさんの工具+エアツール(書ききれないので省略します 爆)
●2 柱リフト(何の作業するにもあったら便利ですよ〜)
●ミッションジャッキ(これは安全のためにも絶対に!)
●テスター(配線図があれば不要です)
●トルクレンチ(重要箇所のみトルクレンチを使いました)
●これから長い付き合いになる5MT 本体と必要な部品多数(これが無いとはじまんないでしょ?)
●ミッションオイル(入れ忘れたら焼き付いてしまいます〜)
●インプットシャフト、クラッチ各部に塗るグリス(何事も摺動部には潤滑が大事です 鬼爆)

これらが準備出来まして1 発で完成させる為に不足部品が無い事を充分確認しましたらいよいよ作業を開始します。

バッテリーのマイナス端子を外し、車両をリフトアップして、アンダーカバーを取外します。



マフラーを触媒の後ろのフランジから外し、メインパイプを外します。(排気温センサーがありますので注意します)
また、その間に同時進行でAT オイルパンのドレーンプラグを取り外し、ATF を抜いておきます。

AT セレクトレバーとAT 本体から出ているロッドを分離し、プロペラシャフトの中間軸を取外し、1 軸目を取外します。
(1 軸目をAT 本体から取外すとエクステンションハウジング最後部のオイルシール部から若干ATF が垂れて
来ますので、A T 本体に1 軸目を指しっぱなしにしておいて作業を進めれば足場も汚さずOK です!)


サイドブレーキのケーブルを分離します。

スターターを取外します。

A T のドライブプレートとトルコンが結合しているボルトを外します。
(サービスホールカバーを外し、22 のメガネでクランクプーリーのナットを回転させながらサービスホールよりボルトを外します)

A T 本体側面に付いている車速センサーのコネクターを分離します。

ATF クーラーのインレットとアウトレットのパイプをAT 本体より取外します。

スターター上部で結合しているコネクターをそれぞれ分離します。

ミッションジャッキをAT 本体下にセットし、AT ・エンジン結合ボルトを外します。
(最上部の17 のボルト2 本を外すには1m 強のエクステンションが必要ですが
当日は無かったので1 /2 の短いエクステンションを7 本連結して作業しました)


ミッションマウントの結合ボルトを外し、ミッションジャッキの角度をエンジンの搭載角と合わせながらAT 本体を下ろします。
(左が9 万キロ走って不要になるAT 本体、右がこれから載せるMT 本体です!)



ドライブプレート取り付けボルトを外し、前後に入っている2 枚のスチールプレートも取外します。



ATF クーラーのインレットとアウトレットのパイプを知恵の輪状態でありますがうまく外します。また、ラジエーター最下部のATF クーラーのインレットと
アウトレットはめくらなどをしておかないと走行中にATF が垂れ落ちてしまう恐れがあるので危険です。必ず何らかの対策をして下さい。

インプットシャフトベアリングを打ち込み、ついでにリヤオイルシールを交換し、フライホイールを取り付けます。
(フライホイール固定ボルトは規定締め付けトルクで締め付け後に更に90 °の角度締めです)



センターコンソールを取外し、サイドブレーキレバーの位置を確認しながらドリルとジグソーで穴開けをします。
(ここで位置決めをしっかりしないと、あとで見栄えが悪くなります。)





インパネロアカバーを取外し、フット式のサイドブレーキペダルと長いワイヤーを取外します。



ブレーキペダルの交換をします。

1 ) A T のブレーキペダル上部のナットを緩め、ボルトを引抜きます。
2 ) ブレーキマスターシリンダーと結合してるピン・クレビスピンを抜き、リターンスプリングを取外します。
3 ) A T のブレーキペダルが外れます。
4 ) MT のブレーキペダルを用意し、上記の手順3 )〜1 )の手順で復元します。



クラッチペダル、クラッチマスターシリンダーを取り付けします。

1 ) サイドブレーキペダルを外した穴を利用して、クラッチペダルを取り付けします。
2 )エンジンルーム側からクラッチマスターシリンダーを取り付けします。
(この時、マスターシリンダー側からペダル側へ取り付くU 字のブラケットがクラッチペダルをまたいでいる事を確認の上、作業を進めます)



(注:この画像は作業完成後に撮影した為にマスターシリンダーからオペレーティングシリンダーまでの配管も接続されております。)

3 )クレビスピンを差込み、マスターシリンダーとクラッチペダルが結合したらピンを差し込みます。



車両をリフトアップして、トンネルの加工(双方の干渉対策)に入ります。

1 )ミッションを仮の状態で搭載し、トンネルと干渉しそうな箇所にある程度目星を付けます。



2 ) 鉄ハンマーまたは大ハンマーでこれでもか!!という位、フロアをガンガン叩きまくります。



3 ) 叩き終わったら、錆び防止のためにシャシブラックを多めに塗布しておきます。



シャシブラックの乾くまでの空いた時間にミッション側の配線の処理をします。

1 ) ニュートラルポジションを短絡させます。
2 ) インヒビタースイッチからRe v へシフトしている時の配線を探します。
(A T 本体でRe v に強制的にシフトさせた際にテスターを使用し、導通のある配線を探します。)
3 )前ステップで探した配線をMT 側のRe v の配線に接続させます。



MT 本体をいよいよ搭載します。

1 ) MT 本体にクラッチカバーとクラッチディスクを取り付けておきます。
2 )エンジン側の取り付け面にノックピンがある事を必ず確認します。
3 )ミッションジャッキで位置を合わせながら取り付け、MT ・エンジン結合ボルトを取り付けます。
(この時に最上部の2 本のボルトの締付けには1 /2 のエクステンションが1m 超の物を使用します。)



4 )ミッションマウントを固定します。
5 )コネクター、センサーなどを結合または取り付けします。

トランスミッション側面のサービスホールからクラッチカバーとフライホイールをボルト6 本で固定します。

(2 2 のメガネでクランクプーリーのナットを回転させながら、サービスホールよりボルト固定します)

サービスホール(2 箇所)をボルト2 本でそれぞれ閉めます。

クラッチ配管の取り付けをします。

1 )マスターシリンダーからトランスミッション側面部までのL 字型のクラッチパイプを取り付けます。(GX81 用)
2 )ゴムのホ−スでU ターンさせます。(JZA7 0 用)



3 ) ゴムのホースからレリーズシリンダーまでの配管をします。(JZA7 0 用)



スターターを取り付けします。

プロペラシャフトの中間軸を固定し、2 軸目と結合します。



センターパイプを取り付けします。

アンダーカバーを取付けします。



5MT オイルをシフトレバー部から給油し、液体ガスケット(スリーボンド#1215 )でシールをし、シフトレバーを取り付けます。



センターコンソールを付け、その他の内装で分解した部位を復元します。



クラッチのエア抜きをします。

エンジンを始動させ、正常に作動するか?異音はないか?などを点検します。

リフト上で軽く実走させて、ミッション本体からオイル漏れが無いか?などを確認し、異音、変速不良など無ければ完成です!


アナログのAT車のメーターにはスピード&タコメーターの間にA T シフトランプが付いており、MT 車には不要です。
配線処理の方法により違いますが、載せ換え後の当方の車両はOD −OFF ランプが短点灯を常時繰り返してました。
その部位を隠す為にMT 車用の純正部品として設定されております「トランスミッションインジゲーターランプ」へ交換すると
A T →MT の載せ換え車両には見えなくなります。(部品は新品でも¥900 程度です)





ミッションオイルの他にワコーズのマジック5 という添加剤を入れます。この添加剤の効果としましては、
「ギヤの磨耗・損傷・焼き付きを防止する。」と書いております。各ベアリング・シンクロ&コーン面への潤滑性能向上の意味を込めて
入れてみました。ミッション本体の程度の具合によりけりですが、今回特に大きな問題は無さそうです。←ほんとかなぁ!?
(まぁ、不具合が出れば自分で分解して不具合を確認し、部品交換しつつ組み直すしかありませんけどね)






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