中央本線旧線(初鹿野-勝沼)

数ある中央本線の旧線区間、今回は「初鹿野-勝沼」をまとめてみました。
この区間は何度か線路付け替えを繰り返しており歴史がかなり複雑になっています。



こちらは旧線時代の物ですが実はこれ以前にも別の旧線が存在しているこの付近。
撮影日が2014年となっていますが2011〜2021年迄ランダムに写真を撮影しているので
実はバラバラな構成になっています。



中央本線初鹿野駅(現在:甲斐大和駅)を出発した下り電車に乗り進行方向左を注視していると
ご覧の様な光景が出てきます。ここがこの旧線と旧々線の分岐となる所です(2011年撮影)。
現在の中央本線は上り・下り共に勝沼までほぼほぼストレートにトンネルで貫いています(途中トンネルを出る箇所あり)。
このトンネルは下りが「新深沢第二トンネル」で上りが「新深沢トンネル」という名称になっています。
写真の115系電車はまさに「新深沢第二トンネル」に入ろうとしているところです。

そしてトンネル-1が初代の単線時代のトンネルで「横吹第二トンネル」でトンネル-2が「新横吹第二トンネル」
となっています。初代は1917年迄の使用で2代目は1997年と最近まで使用されていました。



分岐点にやってきました。ここは車でも来られます。写真はフェンスにレンズを入れて撮影しています(2011年撮影)。



約15年程しか使用される事が無かった「横吹第二トンネル」の甲斐大和側の入り口です(2011年撮影)。
廃止年月(1917)から考えるとかなり綺麗な状態で残っていると思います。



そして振り返ると1997年まで使われていた旧線の橋桁が残っていました(2011年撮影)。
私が小学生の頃は中央高速が全通しておらづ勝沼で一旦下車し次の入り口まで国道を走って移動
していました。その国道を見上げると壁にへばりついている線路が目に入り子供ながらに「すごい光景」
であったのを記憶しています。その線路跡になる訳です。



旧線は壁沿に線路が強引に付けられた感じがありました。写真は当時のレンガ作りの橋桁の一部です(2014年撮影)。
本当はこの傾斜に何本かの橋桁があったのですが現在は綺麗にされており残っていません。写真右が甲斐大和駅です。



壁沿に続いた線路はほどなくして「新横吹第二トンネル」に入っていきます(2014年撮影)。流石にこのトンネルの入り口へ
行ってみようという気にはなりませんでした。転げ落ちたらシャレになってしまいます。
しかし面白いのはこの旧々線「横吹第二トンネル」と旧線「新横吹第二トンネル」の勝沼側の出口です。



それがこちらの写真(2021年撮影)。甲斐大和側が別々の入り口であったのに出口はご覧の様に二つ並んでいるという。
写真左側が旧々線で右が旧線のもの。緑色のガードがあるので新しい方というのが判るかと思います。
1997年迄使用されていた、とのことですからE351系のスーパーあずさなども走ったことになります。



旧々線の内部です(2021年撮影)。奥が甲斐大和駅。



こちらは旧線の内部です(2021年撮影)。奥が甲斐大和駅。



そして2つ並んだトンネルを振り返ると穴は1つだけ。この短い区間(100m位!?)が旧々線と旧線の
合流場所となる訳です(2021年撮影)。こちらのとんねるは「深沢トンネル」という名称になっています。
現行線路もこの旧線も途中にある深沢川を渡るところで一度トンネルから抜けることになります。



「新深沢第二トンネル」を出て「新大日影第二トンネル」に入る甲府行きの下り電車(2012年撮影)。
上り線のトンネルはほんの少しだけ奥にあります。旧線は逆の背中側に残っています。



旧線の深沢トンネルは「ワイン貯蔵庫」として再利用されています。管理がなされているので
勝手に立ち入ることはできません(2012年撮影)。



トンネル名に「勝沼トンネルワインカーヴ」と記載されている深沢トンネルの勝沼側(2012年撮影)。
このトンネルの甲斐大和側にも重厚な扉がありましたが内部で繋がっているのかどうは不明です。



深沢トンネルをバックに最後の「大日影トンネル」をみたもの(2012年撮影)。



大日影トンネルは遊歩道として解放されていることも多いのですが訪問時は入れませんでした。
トンネルの内部は現役当時の様子を色濃く残していて面白そうです(2012年撮影)。



大日影トンネル遊歩道の説明書き(2012年撮影)。



2011年に解放している時に撮影したもの。勝沼側出口部です。


出口部分全体。現在のトンネルと並ぶ形で今もひっそり大日影トンネルは残っています(2011年撮影)。
このトンネルが1997年まで使用されていた時にはスカ色が走っている現在の下り線は存在しておらづ
トンネルを出た線路は緩く右にカーブして現在線に合流していたと推定されます。



昔の勝沼駅はスイッチバック式の駅でした。今でもその構造を想像することが出来ます。
駅横には有名ですが電気機関車が保存されています。桜の咲く時期は綺麗なものです(2011年撮影)。



オマケでスイッチバック構造が掲載されている地図です。




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