京王帝都・八幡前駅



上図は大正5年当時の路線図です。こうして改めて見るとかなり駅名が変更されているのが判ります。
この時の「府中〜八王子」間は玉南電機鉄道という別会社が所有していた為に京王の路線は府中までとなっています。

そしてこの路線図の府中駅のとなりにある「八幡前」を紐解いてみたいと思います。
「競馬場線について」と被ってしまいますが現在の東府中駅は2代目であり旧名を「臨時競馬場」と言いました。
府中とこの臨時競馬場駅の中間点にあったのが「八幡前駅」でした。実はこの駅が初代「東府中」なんですね。

大正05年10月31日
府中駅開業
大正05年10月31日
初代東府中駅開業(いわゆる八幡前駅)
昭和10年11月12日
現在の東府中駅開業(いわゆる臨時競馬場前駅)
昭和12年09月01日
八幡前駅を東府中と改名
昭和15年10月26日
臨時競馬場前駅を東府中と改名(現在の東府中駅)
昭和15年10月26日
八幡前駅廃止

改名と移設を繰り返しているのでちょっと説明がしずらいです。昭和15年に廃止されてしまった「八幡前駅」ですがその名は
現在も生きていて旧甲州街道と小金井街道との交差点名は「八幡宿」と言います。町名も府中市八幡町であったりします。
交差点名の「八幡宿」と言う名前からして宿場町の一つであったのかと思いましたが調べると長野県の中山道の八幡宿が出てきました。
どうやら宿場町とはあまり関係の無い名前なのかも知れません・・・(甲州街道の宿場町はズバリ"府中宿"という名だったそうな)。



廃駅になった「八幡宿駅」はどの辺りにあったのでしょうか。現在の東府中駅から500m程西へ移動してみると・・・。
しっかりとスペースが残っていました。ここが駅跡で間違い無いでしょう(上写真)。調布〜府中間が複線となったのは昭和12年ですから
廃止時はすでに複線であった事になりますので上り側は跡形もありません。この駅は電車の3両化以前に廃止となっています。




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