秩父鉄道武甲線
秩父鉄道は埼玉県を走るローカル私鉄で羽生と三峰口を結んでいます。日曜・祭日には「パレオエクスプレス」という愛称の
SLが走っていて都内から一番身近にSLを見る事が出来る路線になっています。そんな秩父鉄道にはもう一つの顔があります。それが「貨物輸送」
で、現在も太平洋セメント三輪鉱山からの石炭をJR線まで輸送しています。私鉄での貨物輸送はもはや珍しい物になってしまいましたが
かつてはこの三輪鉱山からの線路の他にもう一つ武甲山からの線路が存在していました。今回はその路線跡を追ってみました。
昭和の初期の地図では影森駅から2本の線路が本線とは別に記載されているのが判ります。
こちらは影森駅。写真奥が三峰口方面で武甲線も三輪鉱業への線も同方向へ続いています。
影森駅から徒歩数分の踏切にやってきました。元国鉄101系が三峰口へ向かって行きますが手前に見えている単線の線路
は三輪鉱業へ続く線路です。武甲線はと言うと本線との間の雑草の中に埋もれている状態です。
草の間から見える線路がソレです。
こちらは同踏切の真ん中に立ち三峰口方面を写したところ。こちらははっきり線路が映っています。
更に進んだ所です。真下に「いかにも」線路のあった所が判ります。実際この雑草の下の線路は撤去されて
おらづそのまま放置されている様です、草の間から錆びた路線も確認できました。また当時物の木製架線も残っています。
線路は草むらの中を進み奥に見える車の止まっているスペースに続いていました。架線に付いている蔦が凄いです。
草むらを脱した所で線路が顔を出します。と思ったらここから先は撤去作業も楽だったのか線路はありません。
線路はご覧の様にプッツリ途切れています。逆に影森駅からこの地点まではそのまま残っています。
この先はハイキングコースとして整備されています。
古レールを利用した架線柱がそのまま残されていました。
こちらは貨物線時代の柵か判りませんが線路跡脇に置いてありました。
少し進むと県道と当たりますが線路はそれを右に見て武甲山へと向かって行きます(写真左を線路は通っていた)。
枕木がそのまま放置されているのを発見。
武甲線の物なのか?。取り外した線路か定かでありませんがこんな所に積まれている線路には違和感アリ。
線路の置いてあった所を過ぎるといかにも鉄道が通っていたという路盤が姿を現します。しかしここから先は立ち入りが
出来ない様でチェーンがされていました。しかしその入り口には鉄道標識がそのまま残されていると言うサプライズも。
線路跡もしばらくは歩けますがご覧の様に草木に覆われて奥深くまでは行けませんでした。実際の所この線路はこの辺り
から分岐をし3線程になって左手にカーブをしていた様です。当時はホッパー施設がありましたが現在は撤去されています。
この線路は昭和59年にベルトコンベア輸送に変わった為に廃線となりました。鉱山は今だ現役です。
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