富士重工宇都宮製作所専用線

> 栃木県を走る日光線。その日光線の宇都宮〜鶴田間にある「富士重工宇都宮製作所」はかつて鉄道を製作していた関係で
鶴田駅から工場内に線路が繋がっていました。製造は2003年迄行っており現在の宇都宮製作所は「エコ宇都宮工場」となり
航空機の部品製造にシフトしている様です。部分的に線路も残っている為に鶴田駅側から調査してみる事とします。



現行地図に線路配線を記載してみました。鶴田駅を出るとしばらく日光線と並走。
東武電車と交差する手前で右へ折れて東武電車の下を潜り工場の敷地内へ入っていく配線です。



日光線の鶴田駅です。2014年に駅舎が綺麗になりました。
個人的には今にも崩れそうなボロボロの駅舎が好みなのですが・・・笑。



駅構内の様子です。かつては専売公社への専用線も存在した為に構内は広く感じます。
写真右の側線も富士重工の専用線が生きていた頃に使用されていた物と思われます。
現在写真右の2本の線路は本線から切り離されており車両の進入は不可能となっています。



ホーム末端より工場(宇都宮)方面を向いて撮影しています。
撮影時期が1月だから良いものの夏場は草で線路は目視出来ないかもしれません。



本線と切り離された専用線の様子。奥のホームが鶴田駅。写真の右側にも広けたスペースが有りますが
貨物を扱っていた当時は貨車が沢山止まっていました。専売公社への専用線はこのスペースから北へ続いていました。



栃木街道の真下部分の線路配線です。一番手前の線路が専用線跡。



線路を跨ぐ跨線橋から工場方面へ延びる線路を撮影したもの。右の草の中に線路があります。



線路のクローズアップ。夏場は何も見えなくなるでしょうね・・・



しばらく本線と並走していた専用線は東武鉄道の線路と交差する手前で右へ折れていきます。
既にサビがもの凄いのが判りますがココまでは線路が現存しています。



途切れた線路と少しだけ枕木が残り川とも言えない様な用水路を渡る所も当時のままになっている様です。



この様な鉄道関連の杭も残っています。



専用線が東武鉄道の下を潜っていた場所もそのままになっています(奥が工場です)。



驚いた事に東武鉄道のガード下には線路も残されていました。
かつてはココを新造車両がコトコトと通った訳ですね、現役時代を見ていないのが悔やまれます。



反対側に廻って来ました。そこそこにレールが残っていました。東武電車を潜る手前には
金網があり通り抜けられない様になっており看板にはしっかり「富士重工」の社名が入っていました。



振り返ってみるとご覧の様になっており実質レールが残るのはここまで。鉄道門が残っています。



鉄道門の金網から中を見てもレールはありません。線路はココで2線に広がっていました。



目を右に移すと信号ボックス(?)、踏切設備(?)みたいな箱がそのまま放置されていたり。



敷地内に残された信号機と思われます。



かつて線路が敷かれていた地は社員の駐車場等に転用されており当時の面影もなくなっていました。
1970年代の航空写真を見ると画面に写っている高圧電線も存在しており線路はこの鉄塔の左にあったと思われます。



ここから先は会社内の為に撮影出来ていませんが工場正面入口を見ると、左に鉄道車両が
突き抜けていた建物がそのまま残っていました。また通路足元に目をやると
線路を剥がして埋めたのか地面の色が異なっているのが判ります(画像はGoogleより拝借しています)。



最新の航空写真を見ると最後の細い建物の先にも線路が残っている様にも見えますが道路からは塀が有り
中を覗き込む事が出来ません。更に鉄道車両を作る工場の特徴としては線路が工場内にいくつも分岐していたり
線路形状が工場を一周する様に敷かれていたりするのですがこちらではそれが確認出来ません。
日本車両や新津と言った大工場という訳でもなかったのでその程度の規模で製作していたのでしょうか。

富士重工製作の鉄道車両には「JR東キハ100」「JR海キハ85」などに加え東武鉄道の車両製作も行っていました。




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