岳南鉄道企業廃止路線
2019年現在岳南鉄道を走る貨物列車は消滅してしまいましたがかつては網の目の様に
沿線の工場に線路が吸い込まれていく専用線が多く存在していました。
今回はそんな廃止になった企業への専用線跡の一部を紹介したいと思います。
もちろん線路は会社の中へと入っていく為に中へ侵入する訳にはいきませんので駅周辺の
様子や残る線路などの雰囲気が中心となっていることをご了承ください。
今回訪問したのはA〜Eの5箇所。岳南江尾駅からの専用線はかつて調査しているので
詳細はコチラからご覧いただくとして時間の都合で本吉原から伸びていた大昭和加工紙と
原田から分岐していた春日製紙へ訪問することが出来なかったので、これはまたの機会に訪れたいと思っています。
A:岳南原田駅→日本製紙
かなりレトロな原田駅の入り口部分。
ホームから見た専用線。この門から先は日本製紙私有地。
鉄道門のクローズアップ。線路は門の所でプッツリ切れている。
かつては構内に多くの側線を持っていた原田駅ですが貨物扱いが無くなった為に側線は撤去され
現在は駐車場に変化しています。専用線は原田から南下して滝川の近くまで伸びていた様です。
専用線が現役の時と退役した時とでの比較写真です。1980年代末期に廃止された模様です。
B:比奈駅→日本製紙
遠目から見た比奈駅の構内。かつて貨物がコロコロしていた跡地は整地されてしまっていた。
両端の線路が切られてしまった専用線(現在は線路も撤去されてしまっています)。
画面中央に屋根の付いた貨物ホームが残っています。奥が日本製紙吉永工場です。
C:比奈駅→大昭和加工紙
比奈駅もまた寂しい駅舎。
比奈駅側から見た工場方面。
大昭和加工への専用線は比奈駅の南側の側線からそのまま工場に吸い込まれていく形でした。
丁度岳南鉄道の本線と専用線との分岐箇所。奥が日本製紙への専用線分岐となっていて
ここは丁度3方向へ線路が分かれるポイントです。この線路も現在は撤去されている様です。
専用線が続く先は線路が複雑に分岐しているのがわかります。
1970年代の航空写真です。比奈駅に長い編成の貨物が見えています。
D:富士岡駅→ADEKA
岳南富士岡駅の駅舎もまた良い味に。この駅にはかつて活躍した機関車が保存(放置)されている。
富士岡駅からADEKAへ続いていた専用線の入り口部分は線路は切られているもの
「ここから工場に入っていましたよ」と判る様に残っていました。
専用線の正確な廃止年月は判りませんが80年代〜90年代初頭の写真には貨物が写っている為
その当時までは存在していたことになります。ADEKAは旧社名を旭電化工業を略したもの。
ADEKA公式WEBより。一読しましょう(笑)。
E:須津駅→福泉産業
須津駅を岳南江尾側から見た全体図。貨物のポイントだけが残っています。
同地点から振り返ったものですが架線柱の位置からして機回しの線路でもあったのかと予想。
貨物の線路があった所は現在住宅になってしまっています。
少し進むとかつての線路跡が出てきます。中央の舗装されている箇所が線路跡となります。
駅の西側にある「大坪踏切」には今も線路が残されています。
その先に線路はあ無く住宅が建っています。奥が福泉産業です。
現在の福泉産業入口部です。かつてはココに貨物が吸い込まれていた訳です。
福泉産業は「ポン酢」「料理酒」などを製造している会社で1697年創業の老舗です。
1970年代の駅と工場周辺です。駅の北側に貨物が停車しているのが判ります。
福泉産業は吉原側から工場に入ることが出来ないので機回しをしていたか
工場へ貨車を押し込む形で入れていたか、では無かったかと想像します。
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