京王線のゲージ

八王子と新宿を結ぶ京王線ですが昔は「新宿〜府中」間の「武蔵電気軌道」と「府中〜東八王子」間の「玉南電気鉄道」とを別路線で
開業しました。「武蔵電気軌道」は後に名前を「京王電気軌道」としています。この「京王電気軌道」のゲージは1,372mmでした。
しかし「府中〜京王八王子」間の「玉南電気鉄道」は1,067mmでした。これは地元の誘政運動もあり沿線勇姿に資金を引き受けて
もらうなどして地方鉄道法により再出願をしたためでした。大正15年12月にこの2社が合併し京王線は「新宿〜八王子」間を
直通する事になりますがゲージは「京王電気軌道」を採用とし全区間1,372mmとする事になり工事を行いますがこの工事自体は比較的
スムーズだったと言いますがホームと車両の改造が大変だった様です(玉南電鉄の方が新しく幅がある為)この工事期間中は玉南電鉄の車両
は新宿寄りに入る事は出来ず一時は「新宿〜多摩川原」「北沢車庫〜東八王子」という二元運転を行っていたとの事です。

又、井の頭線の前身「帝都電鉄株式会社」は昭和9年にまず「井の頭公園〜渋谷」間を開通させ
その8ヵ月後に吉祥寺までの全線が開通となります。軌間は1,067mmとなっています。

ゲージとはいわゆる線路間の距離の事でこの間隔が異なってしまったら大変です。同じ京王の冠を付けている京王線と井の頭線とは
ゲージが異なっていますが何故異なっているのでしょう・・・これには永い歴史が関係しています。元々京王線(当時は京王電気鉄道)
は開業当時に東京市電への接続を考えて1,372mmで敷かれました(都電は1,372mm)。開業当時の新宿駅は明治通りの上にあり丁度都電と
「T字」というスタイルで停車場がありました。しかしこの市電との接続は実現されないまま移設になってしまい現在もそのゲージが
引き継がれてるのですね。一方の井の頭線は元々が東急・小田急に買収された形跡を持っているために軌道も同じ1,067mmに合わせられたのです。

ゲージについてちょっと詳しく話してみます。日本国の「標準軌道」は1,067mmで井の頭線がコレに当たります。
また旧・国鉄、現在のJRの軌道も1,067mmとなっています。この他に特殊な物がいくつかありますがその内の一つが「ナローゲージ」
と呼ばれるタイプの物です。「ナローゲージ」は軌間762mm以上の物という識別しかありませんが当然車両も小さい物になります。
この様な鉄道を「軽便鉄道」と呼んでいました。もう一つは新幹線で1,435mmとなります。かなり広いですが世界の標準軌道です。



■左は京王線7000系・右は井の頭3000系■




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