武蔵中央電気鉄道

かつて八王子内にも路面電車が走っていた時代がありました。それが武蔵中央電気鉄道です。電車甲州街道の真ん中を走っており東八王子
(現在の京王八王子)から高尾橋(現在の高尾駅近辺)まで全長8.5Km、所有時間約30分で当時の運賃は24銭であったそうです。
のちに京王御陵線の登場と中央線の浅川までの進出により経営不振になり昭和13年には京王電気軌道が武蔵中央電気鉄道を買収しました。
これと同時に八王子市街自動車も買収してしばらく営業を続けますが同年には東八王子と武蔵横山間を廃止にしました。
しかし残った武蔵横山-高尾橋間も翌年の昭和14年6月に廃止されてしまいます。故に八王子を走った路面電車の命はたった10年でした。

この武蔵中央電気鉄道の敷石を市内の「長安寺」というお寺が参道として再利用しています。是非訪れて見てはいかがでしょうか。



武蔵中央電気鉄道10号



武蔵中央電気鉄道の路線図

以下本より抜粋

大宮から八王子に至る所沢線を計画していた武蔵中央電気鉄道が多摩陵、高尾山への旅客輸送を見込んだ八王子線の浅川(現在:高尾)駅前
から八王子追分間を昭和4年にまず完成させた。昭和7年には八王子、東八王子両駅前から高尾山の8.4Kmが全通し11両の電車を運行したが
バスとの競合もあり経営は苦しかった。京王電軌は八王子付近の交通一元化を計り昭和13年にこれを買収、一年後には全部を整理し本線と
御陵線に接続する京王バスに置き換えた。武蔵中央の電車は京都N電51号の他、1本ポールの日車製鋼製ボギー車が11両あった。

武蔵中央電気鉄道の工事経過

・昭和4年11月 浅川駅前〜追分間 4.0Km
・昭和4年12月 追分〜新町間 2.0Km
・昭和5年3月 高尾橋〜浅川駅前 1.8Km
・昭和5年12月 新町〜東八王子停留所 0.2Km
・昭和7年4月 横山町〜八王子駅前 0.4Km




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