この廃線の調査を行なったのは2019年でしてwebへ掲載させるまでに約3年も温めてしまいました。
というのはこの路線を記事にするのにはかなりの労力と調査を行わなければならない為で正直なかなか
重い腰が上がらなかったというのが本当のところです(言い訳)。
調査はJR東海道線の鴨宮から西湘貨物駅跡を経由して国府津駅へと徒歩で行っています。
この路線は東海道貨物の支線みたいなものですが以前は鴨宮駅からの専用線扱いでした。
1970年の「西湘貨物駅」の開業以降は西湘貨物駅からの専用線分岐に変化しています。
1970年代のそれぞれの企業と貨物駅・鴨宮駅の位置関係です。
まずは東海道線の鴨宮駅へ。
跨線橋から西湘貨物駅(跡)方面を見た所。背面にある「酒匂川」の砂利採取をしていた背景もあり
かつては多くの線路が敷かれていた構内も現在は役割を終え駐車場になっている。
駅から少し歩いた所。奥に鴨宮駅が見えています。
貨物線が走っていた用地がそのまま残っています。
貨物線が通っていた橋もそのままに残っています。この上には線路はありません。
道路を1本住宅地側に入ると道と線路の目線が同レベルになり、そこから線路が現れます。
その少し先で道が緩く右へカーブしていますがココが鴨宮駅から最初の専用線分岐となる
「財務省印刷局専用線」です。
こちらは印刷局への専用線が判る写真ですがこの専用線は以外と短命だった様です。
1970年代初頭には印刷局前の道路が整備されJR線を跨ぐ橋が建設されています。
写真のマンションと一軒家の間くらいを印刷局への線路は走っていました。
印刷局前の道路は専用線があった当時はこんなに広くはありませんでした。
無論当時の線路跡が判るものなど何もなく鉄道が入っていたと思われる箇所は「壁」でした。
そして印刷局専用線のすぐ先にある現在「久保田小田原配送センター」の箇所がかつての
ゼネラル石油でした(画面左側のスペース)。最左の線路が廃止線路で奥が鴨宮駅です。
印刷局専用線とゼネラル石油への専用線はかなり近くに存在していたことがわかります。
1970年代の写真では油槽所と判る様に大きなタンクが3つばかり写っています。
橋の上から鴨宮駅方面をクローズアップさせてみました。
写真の丸印は東海道貨物線のガーダー橋ですがこの油槽所への分岐はもうちょっと奥、鴨宮方から
分岐していました。よって油槽所へのガーダー橋も実は残っているのですが草が多いのと建物の位置関係
により撮影することができませんでした(ちょっとだけ見えているんですが・・・)。
この油槽所ですが途中からダイヤ物産という会社に所有が変更されている様です。
最後の久保田鉄工への専用線ですが実は撮影している橋のすぐ裏手に存在しています。
調べてみるとこの線路は工場の中へグイグイ入っていく様な配線ではなかった様で、工場に隣接する形で
3線程を有していたみたいです。また線路も上記ゼネラル石油(ダイヤ物産)への専用線の内、最も貨物線に
近い線路がそのまま久保田鉄工専用線へと繋がっていました。
橋の上より国府津駅方を撮影したもの。廃止された線路の更に右側に油槽所から
続いてきた線路が存在していましたが現在は駐車場になってしまい当時の面影はありません。
久保田鉄工の向かい側に存在した西湘貨物駅。今は複合娯楽施設になっている。
貨物線跡は久保田鉄工の脇を通り次に目に入るのは旅客線より数段レベルが下がった辺りとなります。
この後トンネルに入っていくことになります。
この貨物線は西湘貨物駅構内よりトンネルにより旅客線を跨いでおりトンネル内に線路があるという
ちょっと面白い構造になっています。この踏切部もそこそこ原型を留めているので見てみます。
トンネル内部の全景です。残念ながら国府津駅方へ繋がっていたトンネルは埋められていました。
逆に鴨宮駅から続いてきた線路はトンネル部分も残っていました。
柵にレンズを入れて撮ったら中央の草にピンを持って行かれてしまうというミス・・・。線路は確認できますが。
奥が鴨宮駅側なんですが緩くカーブしている為か余り距離も無いのに光が見えません。
上部からトンネル部を覗いてみたところ。この埋められた先は現在では確認することができませんでした。
かつては西湘貨物駅の東側と繋がっておりこのトンネルを潜り貨物列車が走っていたのですね。
トンネルはこの様な構造になっていました。
西湘貨物駅の東側末端部分です。当時はこの辺りまで線路がつながっていました。
上の当時の写真の丸印から矢印方を向いて撮った写真です。
国府津→鴨宮間(1)。現在の西湘貨物駅ですが定期の貨物扱いはありません。
国府津→鴨宮間(2)。トンネルから貨物線が出てきた所。この辺りが久保田鉄工の専用線のあった所。
国府津→鴨宮間(3)。ゼネラル石油(ダイヤ物産)専用線が使用していたガーダーがほんの少し写っている・・・か(笑)。
鴨宮駅。専用線は昔は酒匂川のすぐ手前まで伸びていました。
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